かえり取り(バリ取り)
包丁を研ぐと必ずできるバリ(かえり)。包丁のかえり取りの方法を、伝統の包丁ブランド、堺一文字光秀が語ります。
INDEX
かえりとは
包丁研ぎとは刃の金属を削る作業ですよね。
でもその削った金属はどこに行ったのか気になったことはありませんか。
もちろん砥石で削るわけですから、水で洗い流されたりします。
そして刃先にはかえりと呼ばれる研いだ反対側の刃先にめくれる削りカスがあります。
金属はとても粘りが強いので、削りカスが洗い流されずにそのままめくれたように付着することがあります。
それを「かえり」もしくは「刃返り」と呼んでいます。
かえりの取り方
刃先にかえりが残ったままだと鋭い切れ味が出ないので、かえりを取る必要があります。
そのためかえりを取るために反対側から研ぎ戻しをする必要がありますが、鋼の包丁ならば簡単にかえりは取れるのですが、粘りが強いステンレス鋼はなかなかかえりが取れません。
新聞紙を使う
かえりを取る方法として一番簡単なのが、新聞紙を使用することです。
安定した場所で新聞紙を広げて、研いだ包丁の刃先の両側を軽い力で数回こするだけです。
布生地を使う
新聞紙の代わりに布生地を使用することも出来ます。
当社の研ぎ師はズボンの太ももの箇所で刃先をこすってかえりを取っています。(やりすぎるとズボンがボロボロになるので要注意です)
著者紹介About the author
堺一文字光秀
渡辺 潤
自社ブランド「堺一文字光秀」の販売、包丁研ぎ、銘切りをしており、その視点から感じたことや疑問を皆様にお伝えさせていただきます。
- 監修
- 一文字厨器株式会社(堺一文字光秀)