刃物の意味・作法
プレゼントに包丁を贈っても大丈夫なの?刃物を贈ることは少し躊躇してしまいますよね。実は古くから、お祝い事の中には包丁を好んで贈るものがいくつも存在します。こちらのページでは刃物を贈る意味や、贈る際の作法をご紹介します。
刃物の意味とは
包丁は刃物ですから「切れる」ものです。
切れるというワードはどうしても忌み言葉として祝い事の場には縁起が悪い物としてふさわしくないとされてきました。
特に結婚祝いなどで贈る場合は「縁が切れる」と言われることもあります。
ですが本来刃物にはそれとはまったく逆の意味が込められてきた歴史があります。
それは刃物は「魔や災いと断ち切り、未来を切り開く」と言う意味です。
刃物は未来を切り開く
本来刃物は権威の象徴としてさまざまな神事や祭礼などで献上品とされてきました。
皇室では子が生まれた時に天皇が守り刀を贈る儀式「賜剣の儀」があります。
伊勢神宮の式年遷宮で奉納される「御太刀」などの祭ごとの儀式にも神聖なものとして欠かせません。
他にも一般の慶事の中でも、開通式の「テープ鋏」、進水式の「斧」、結婚式の「ウェディングナイフ」、包丁式の「式包丁」等の祝い事の場にも刃物は無くてはならないものです。
刃物は縁を切るとして避けられてきたという記録はほとんどなく、「魔や災いを断ち切る」と言う意味での贈り物として使われてきた歴史の方がずっと長く、根強いと言えるでしょう。
贈り物をするというのは贈られた方の新しい門出を祝ってするものです。
そこに刃物の「運命や未来を切り開く」と意味を込めて贈る事は大変めでたいことだと思っています。
その刃物が本来持つ意味を正しく知ってさえいますと、決して縁起が悪い物ではありません。
プレゼントにおススメの包丁
包丁には「魔や災いと断ち切り、未来を切り開く」という意味があり縁起物でもあることはご理解いただけたでしょうか。
こうした意味があるために、包丁は「新築祝い」や「結婚祝い」など人生の転機に相手の幸せを願って贈ることも多いです。
また、普段使いするものですので、母の日や誕生日などに日ごろの感謝を込めてプレゼントするのにも向いています。
こうした贈り物をする際に「実は包丁を贈るっていうのはね~」というように贈り物の意味を説明するのも素敵ですね。
とはいったものの、実際に包丁を贈るとなるとどれを選べばいいかわからないという方も多いと思います。
ここではプレゼント用の包丁の選び方と人気の包丁をご紹介します。
どんな包丁を贈ればいい?
家庭用なら
一般の方へ包丁を贈るのでしたらやはり三徳包丁で良いです。
家庭用では一番使用頻度が多い包丁で、刃こぼれしたときなどで使えない時のための予備にもなるため何本あっても損は有りません。
その中でも今は扱いやすいステンレス製の包丁が良いのではないでしょうか。
中でも「FV10三徳包丁」はプロの料理人からも評価も高い包丁でいつまでも使ってもらえるようなお勧めの包丁です。
もし研ぎなどにもこだわっている方にお贈りするのでしたら鋼の包丁など贈るのも良いと思います。
おすすめの三徳包丁
料理人への贈り物
相手はプロの料理人ですので、もしかしたら包丁に詳しいかもしれない。
そんなことを考えてしまうかもしれませんが、実は料理人は包丁好きがとても多いので遠慮はいりません。
せっかく包丁を贈るのでしたらどんな料理人になってもらいたいかを願いを込めてプレゼントするのもいいのではないでしょうか。
和食料理人に贈るなら
柳刃包丁
和食料理人にとって柳刃包丁は特別なもの。 少しこだわった柳刃包丁を贈ってさらに上を目指してもらうのもいいと思います。
おすすめの柳刃包丁
出刃包丁
使用頻度の高い出刃包丁。良いものが一本あると作業の効率が段違いです。 お客様の前で使用することが少ないので新調するタイミングを見失いがちなのもポイントですね。
おめの出刃包丁
洋食料理人に贈るなら
牛刀
色々な用途に使用できる万能の包丁です。使用頻度も高いので沢山持っていても損はありません。
おすすめの牛刀
色々なイベントにも最適な贈り物があります。
母の日
母の日の定番のプレゼントと言えば、カーネーションやお菓子になると思います。
ただ毎年同じものを贈るのではなく、毎日料理を作ってくれるお母さんに感謝の気持ちを込めて包丁の贈り物はいかがですか。
結婚祝い
結婚は人生で最も大きなイベントです。
親戚や友人が新しい門出を祝って包丁の贈り物もいいのではないでしょうか。
二人の未来を切り開いてくれる縁起物にもなります。
引っ越し祝い
引っ越しをする、それは新しい生活が始まる事です。
新生活をするのでしたら新しい物を揃えて心機一転したいのではないのでしょうか。
新築祝い
新しく自分の家を建てる。
そんな一大決心をした人への贈り物。
一生に一度のことなので立派な包丁を贈るものいいのではないでしょうか。
開店祝い
料理人にとっての一番の夢はやっぱり自分の店を構えること。
そんな夢を叶えた人への贈り物には少し凝った包丁を贈り物いいのではないでしょうか。
著者紹介About the author
堺一文字光秀
渡辺 潤
自社ブランド「堺一文字光秀」の販売、包丁研ぎ、銘切りをしており、その視点から感じたことや疑問を皆様にお伝えさせていただきます。
- 監修
- 一文字厨器株式会社(堺一文字光秀)