![](https://hocho.ichimonji.co.jp/wp-content/uploads/deba-main.jpg)
出刃包丁
魚をさばく際には欠かせない出刃包丁。代表的な和包丁として知られる出刃包丁について、伝統の包丁ブランド、堺一文字光秀が語ります。
選び方だけを詳しく解説したページもありますので、先にそちらを見たい方はどうぞ。
![出刃包丁の選び方](https://hocho.ichimonji.co.jp/wp-content/uploads/deba_2.jpg)
出刃包丁ってどんなのがあるの?
早速出刃包丁を見ていきましょう。
気になるものはありましたか?どれも我々が厳選した包丁ですので、しっかり愛着を持って使って頂けるのであれば、インスピレーションで選んでしまうのもアリです。
「値段で何が違うの?」
「ステンレスと鋼どっちがいいの?」
「鋼材でそんなに変わるの?」
こんな疑問が浮かんだ方は是非下記の記事を読み進めてください。本記事では、出刃包丁の概要のみ説明しています。
![出刃包丁の選び方](https://hocho.ichimonji.co.jp/wp-content/uploads/deba_2.jpg)
そう、一口に出刃包丁と言っても色々種類があるのです。
出刃包丁とは?
![出刃包丁とは](https://hocho.ichimonji.co.jp/wp-content/uploads/deba_1.jpg)
魚料理が中心の日本の和食に置いて、魚を捌くと言うのは基本中の基本になります。
その時に使用するのがこの出刃包丁になります。
出刃包丁は和包丁の中でも刃厚がとても厚く、刃幅の広いため手に持った時にずっしりとした重さが特徴ですが、これは魚の硬い骨や頭を切り時に刃が負けないようにするためです。
出刃包丁の由来の元はユニークな理由からなんです。
1684年に刊行された堺の名産品について記した「堺鑑」に
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魚肉を料理する包丁他國に勝て當津より擣出を吉とす其鍛冶出歯の口本成故人呼で出歯庖丁と云り。
今に至迄、子孫絶ず
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と言った記述があることから「最初に作った鍛冶屋が出っ歯だった」ことから出刃包丁と名付けられたとされています。
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出刃包丁の種類
出刃包丁という形状を中心に、様々な形に派生しています。
相出刃包丁
![相出刃](https://hocho.ichimonji.co.jp/wp-content/uploads/1di9-210-1024x256.jpg)
相出刃包丁は出刃包丁を少し細身にして、刃厚も薄くした出刃包丁です。
出刃包丁は刃に厚みがあるので、どうしても包丁自体が重くなります。
そのため捌くときには取り回しが悪くなりますので、少し小ぶりになった相出刃包丁が造られました。
身卸し包丁
![身卸し出刃](https://hocho.ichimonji.co.jp/wp-content/uploads/1dm9-270-k-1024x256.jpg)
身卸し出刃包丁は相出刃包丁よりもさらに細身にして、刃の厚みも薄くした捌き専用の出刃包丁です。
ちょうど出刃包丁と柳刃包丁の中間の形状をしていて、魚を捌いて切り身にするには便利ですが、反面骨などを切ると刃こぼれするので使用出来ません。
出刃包丁と比べてもはるかに軽く疲れにくいので、一日たくさんの魚を捌く魚屋さんが使うことが多くなっています。
アジ切り包丁
![アジ切包丁](https://hocho.ichimonji.co.jp/wp-content/uploads/1da9-135-1024x256.jpg)
その名の通り、ふぐの薄造りをする時のためだけに造られた専用の包丁です。
アジ切り包丁はその名の通りアジを切る出刃包丁です。
とはいってもアジ以外の小さい魚にも使用します。
サイズも90㎜から150㎜くらいまでと短く、小出刃包丁と比べても刃の厚みが半分以外でとても軽くなっていますので、小回りが利いて扱いやすい出刃包丁です。
ふぐ出刃包丁
![ふぐ出刃](https://hocho.ichimonji.co.jp/wp-content/uploads/1df9-210-k-1024x256.jpg)
この出刃包丁を見かけて人はほとんどいないと思いますが、ふぐ専用の出刃包丁です。
ふぐはその見た目からは想像がつかないくらい骨が太く硬い魚なので、それに刃が負けないように切り刃が鈍角になっていて刃こぼれしにくい出刃包丁です。
切り刃が鈍角な分捌きにくいですが、ふぐ以外でも骨をガンガン切るならこの出刃包丁を選ぶ方もいらっしゃいます。
舟行包丁
![舟行包丁](https://hocho.ichimonji.co.jp/wp-content/uploads/1fy10-180-k-1024x256.jpg)
出刃包丁の刃を薄く、細身にした包丁で、身卸し出刃包丁の小さいサイズになります。
元々は漁師が舟の上で簡易的に調理をするために使われるようになったのがこの舟行包丁の始まりです。
また身卸し出刃包丁と比べて、切り刃が広く魚を捌く以外にも野菜などにも切ることが出来る万能系の出刃包丁です。
最近では片刃の家庭用包丁として選ばれる方も増えてきています。
出刃包丁のサイズの選び方
出刃包丁は刃渡りが100mmから240mmくらいまでと、サイズが短いものから長いものまで幅広くありますが、これには捌く魚にも大きさに個体差があるためです。
刃渡りに短い小出刃は軽く小回りがきくので扱いやすいですが、頭を落とす時には力を入れづらいです。
反面大きい刃渡りの出刃包丁は重みを利用出来るので頭を落としやすい反面、重く疲れやすいです。
![魚に応じた出刃包丁のサイズの選び方](https://hocho.ichimonji.co.jp/wp-content/uploads/%E9%AD%9A%E3%81%AB%E5%BF%9C%E3%81%98%E3%81%9F%E5%87%BA%E5%88%83%E5%8C%85%E4%B8%81%E3%81%AE%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%BA.png)
まずは上記の画像を参考にサイズ選びをしてみてください。
100mm-135mmの出刃包丁がおすすめな方
・小魚を捌くときにも使用したい
鰺や鰯などの小さい魚を捌くにはこれ以上大きいと逆に綺麗に捌けません。
150-165mmの出刃包丁がおすすめな方
・家庭用として使用したい
・和食で小出刃として使用したい
150mmのサイズが家庭用の出刃包丁としてスタンダードなサイズになります。
また和食料理人の方の小出刃包丁としても使用する方が多いサイズです。
180-210mmの出刃包丁がおすすめな方
・和食料理人の最もスタンダードなサイズ
・釣りが趣味で大きな魚を捌きたい
和食料理人が捌く事が多い、鯛や鰤などの魚の時に使用するときは210mm前後のサイズを選びます。
また釣りが趣味の方で鯛などの大きな魚を捌くのでしたら180mm前後がよろしいです。
225mm以上の出刃包丁がおすすめな方
・マグロなどの超大型の魚を捌く時に使用したい
マグロやクエなどの特大サイズの魚を捌く時の専用包丁になります。
![お問い合わせはこちら](https://hocho.ichimonji.co.jp/wp-content/uploads/%E5%B0%8F%E8%A6%8B%E5%87%BA%E3%81%97%E3%82%92%E8%BF%BD%E5%8A%A0-42.jpg)
出刃包丁の研ぎ方
![出刃包丁の研ぎ方](https://hocho.ichimonji.co.jp/wp-content/uploads/deba_4.jpg)
包丁店の立場から言うと、切れ味が悪くなった際は砥石での研ぎに是非チャレンジ頂きたいところです(切れ味が全然違います)が、研ぎで切れ味を戻すという作業は自転車に乗るようなもので、
「慣れてしまえば簡単だが、最初のチャレンジでは難しい」と思います。
研ぎに慣れない間は「砥石を使うことでより切れなくなった」ということもザラにあります。
※もちろんそうなってしまった後でももう一度研ぎ直せます。是非こちらを読んで、チャレンジしてみてください。
![出刃包丁の研ぎ方](https://hocho.ichimonji.co.jp/wp-content/uploads/deba_3.jpg)
シャープナーやお皿の裏、スチール棒などで刃先を荒らすことで、一時的に切れ味を取り戻すことができます。
そう、「一時的に」です。どんなに高級なシャープナーも「研いでいるのでなく刃先を荒らす」道具です。
刃先を荒らすことで、食材に引っかかりやすくするという理屈です。
良い包丁を購入したのであれば、定期的(年に一回だけでも全然違います)にプロに研いで貰いましょう。
ただ、常時30分以内に返して貰えるような研ぎ屋さんは要注意、機械工程が多めの研ぎサービスは、余計に削ったり、傷がたくさんついてしまう可能性があります。
お時間はいただきますが、我々は荒砥石から仕上げ砥石まで6種類の砥石を手で当てます。多くの新品よりも切れ味が良い状態でお返しできているはずですので、ご興味ある方は是非お問い合わせください。
![研ぎのご依頼はこちら](https://hocho.ichimonji.co.jp/wp-content/uploads/%E5%B0%8F%E8%A6%8B%E5%87%BA%E3%81%97%E3%82%92%E8%BF%BD%E5%8A%A0-37.jpg)
著者紹介About the author
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堺一文字光秀
渡辺 潤
自社ブランド「堺一文字光秀」の販売、包丁研ぎ、銘切りをしており、その視点から感じたことや疑問を皆様にお伝えさせていただきます。
- 監修
- 一文字厨器株式会社(堺一文字光秀)