まな板

食材を切る上で必要なものと言えばもちろん包丁になりますが、もう一つまな板も欠かせない物になります。

この二つは密接に関係しているもので、包丁を大事に扱っていく上でまな板の存在は非常に重要なものになります。


現在主流で使用されているまな板の種類と言えば「木製」「プラスチック製」「ゴム製」の三種類になります。

この三種類ともにそれぞれ特徴があり、それを知らないまま使い続けていくと大事な包丁が知らない内にどんどん傷ついていくという事もあります。

そのため良いまな板を選ぶと言うのは、同時に包丁も大事に出来るという事なのです。


意外と見落とされがちなまな板

料理をする上で包丁にこだわりを持つ方はたくさんいますが、まな板にこだわる方は意外と少なく軽視される傾向にあります。

しかし日本料理の世界では昔からまな板とは切っても切れない関係にありました。

日本料理の料理人のことを「板前」「板さん」と呼んでいることを知っている人は多いかと思います。

板前とはその名の通り、まな板の前に立っているからそう呼ばれており、関西では料理する厨房のことを「板場」と呼んでいる場合もあります。

それほど日本料理の調理場ではまな板が中心になっていたのです。


少しお高いお寿司屋さんに行かれたことはありますか?

行ったことのある方ならわかる方も多いかと思いますが、カウンターそのものが桧などの一枚板のまな板になっているお寿司屋さんも少なくありません。

なぜ料理人はまな板にこだわるか

海外でもまな板を使用していますが、包丁と同じく簡素なものが多く、中にはまな板を使用していない国も存在ます。

ではなぜ日本料理(和食)の世界ではまな板にもこれほどこだわるのかと考えると、食材を切るという事へ考え方自体が違うのだと思います。

海外では食材を切ると言うのはあくまでも料理の中の一工程にすぎないため、それほど切れ味へのこだわりがなかったと思われます。

それとは異なり、日本料理では食材の鮮度を最大限に生かす料理です。

そのため刺し身に代表される切れ口の美しさは日本料理の要になるもので、切れ味へのこだわりが包丁をここまで発達させてきました。

それは包丁を受けるまな板も同じで、包丁の良さを最大限に生かすためにまな板にもこだわりあったのだと考えられます。

包丁にとってのまな板とは

包丁にとってのまな板とは


包丁とまな板、この二つを使って食材を切っていくわけですが、まな板には包丁にとって大事な要素が一つあります。

それが包丁の「切れ味の持続性」に大きく関わっているという事です。

包丁が切れなくなる原因はまな板です




食材を切っている時をイメージすると、まな板の上で包丁をトントンと食材を切っていると思います。

普段あまり意識をしていないかもしれませんが、これって実は食材だけでなくまな板も同時に切っているという事なのです。

じゃあなぜまな板は切れないかと言うと、それは食材と比べてはるかにまな板が硬いからです。

そのため柔らかい食材だけが切れるのですが、包丁は常に硬いまな板の上で摩耗し続けているので切れ味が悪くなっていくのです。


包丁の切れ味を悪くする一番の原因は実はまな板になるのです。

まな板の種類

まな板の種類には木製、プラスチック製、ゴム製の三種類があります。


まな板の種類ですが、一般的に「木製」「プラスチック製」「ゴム製」の三種類が今現在は主流で使われています。

包丁との相性の良さや使い心地の良さの木製まな板、手入れがし易く衛生管理が容易なプラスチック製、ゴム製まな板と材質によって特徴が二分されます。

またそれぞれの材質の中にも用途にあった材料がありますので、まな板を選び上で材質を知ることは大事です。

木製のまな板

木製には適度な弾力があり柔らかいことから、他の樹脂製のまな板よりもはるかに刃を傷めることが少なく切った時の当たりが柔らかいため手が疲れにくく使い心地が良いのが特徴です。

また木製自体に大きな修復力があるため小さな切り傷なら修復でき、天然由来の抗菌採用も高いので実は樹脂製のまな板と比べても衛生面で劣っているわけでもありません。

木製と言っても、「ひのき」「銀杏」「ひば」「桐」など様々な木材があり、それぞれに特徴がありその中から自分に合った木材を選べる豊富な種類が魅力です。


また食材を切った時の感触がとても心地よく、料理する楽しみが増えるのも木製のまな板の良いところです。


その反面木製まな板は正しい手入れをしないと黒ずんだり、乾燥により反りが出たりしますのでメンテナンスには注意が必要です。

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プラスチック製のまな板

プラスチック製のまな板の一番の特徴と言えば、衛生面に優れており日頃のお手入れが簡単なことです。

特に近年では抗菌加工にしている物が増えてきておりより衛生的になっています。

他にもプラスチック製は加工性も高いので、薄く軽くすることも出来ますし、カラーも自由に選べるためオシャレなデザインのまな板も多くなってきています。

そのため家庭用のまな板ではプラスチック製が人気があります。


その反面プラスチック製は非常に硬いため包丁を傷めやすく、荒い切り方をしていると刃こぼれさせやすいのが難点です。

ゴム製まな板

ゴム製のまな板は木製とプラスチック製の中間のような材質で、木製のまな板よりお手入れが簡単で、プラスチック製のまな板より包丁への傷みが少ないです。

特にプラスチック製のまな板のような切っているに感じるコツコツとした感触がなく、木製に近い感触を感じるゴム製のまな板もあります。

その反面ゴム製は熱に弱い物が多く、コンロなどの火の近くでは扱いにくいのが難点です。

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まな板の選び方

まな板を選ぶポイントとしては「包丁との相性」「手入れなどの衛生面」の二つに分けられます。

包丁との相性とは、切った時の刃当たりの良さ刃の持続性の二つが上げられます。

逆に手入れなどの衛生面は、菌の繁殖のし易さお手入れが簡単かの二つになります。

   木製まな板 プラスチック製まな板  ゴム製まな板
刃当たり         ×    
刃の持続性    ◎     ×    
衛生面             
手入れ    ×     ◎    

包丁に一番最適なのは木製のまな板です。

包丁に一番最適なのは木製のまな板です。


上記に書いています通り包丁を長く使っていく上でまな板の存在は欠かせません。

そして色々な素材のまな板がある中で包丁に最も最適な素材が木製のまな板になります。


木製まな板の一番の特徴と言えば、柔らかな弾力が有り食材を切った時の刃当たりが良いことです。

そのため刃が傷みにくくなるのはもちろんのこと、切った時の手首への負担も少なく疲れにくいと言われています。


プラスチック製などの樹脂製は非常に硬質な素材のためコンコンと刃を弾いてしまうため切れ味がすぐに落ちてしますのに対して、木製のまな板はトントンは優しく刃を受け止めてくれるため特に刃の持続性に関しては非常に優れております。


また食材を切った時の感触がとても心地よく、料理する楽しみが増えるのも木製のまな板の良いところです。

衛生面は大丈夫?

木製のまな板を使うのに躊躇している方の多くが気にされているのが衛生面だと思います。

まな板は食材を上に置くのですからその上に菌が繁殖していると不衛生ですし、木製のまな板は天然素材ですのでプラスチック製のまな板などと比べると菌が繁殖しやすいと思う方が多いですが、実は木製のまな板も樹脂製のまな板も菌の繁殖のし易さはほとんど変わらないのです。

木製のまな板にはもともと天然由来の抗菌作用があり、油分を含んでいるため水切りが良いので清潔に保つことが出来ます。

お手入れに自信がないならプラスチック、ゴム製のまな板

まな板を使う上で問題になる一つが衛生面になります。

木製は細菌が繁殖しやすく、プラスチックなどの樹脂製は繁殖しにくいと思われていますが、実は三種類を比較しても衛生面はそれほど差はないのです。

ただ木製のまな板は衛生面に配慮して洗いと乾燥などをきちんとした手入れをすることが前提になります。

そういった意味ではメンテナンスが容易で扱いやすいのがプラスチック製、ゴム製のまな板の魅力です。


木製まな板、樹脂製まな板のどちらにもメリット、デメリットがあります。



包丁を大事に扱っていくことを考えるとやはり木製まな板をお勧めしますが、今は衛生管理が厳しい時代ですので料理をする環境によっては木製のまな板が使用できないこともあります。

そのためそれぞれの特徴を知ったうえでまな板選びをすることが大事です。

まな板のお手入れ

まな板も包丁と同じで長く使っていくにはきちんとしたお手入れが必要です。

それにまな板は食材を上に乗せて切りますから衛生面も気になるところです。


特に木製のまな板は日々のお手入れが重要で、それを誤るとまな板が黒ずんだりととても不衛生になりますし、それによって高価なまな板がダメになってします恐れもあります。

そうならないためにもいつまでも愛着を持って使ってもらえるよう正しいお手入れ方法をご紹介します。

著者紹介About the author

堺一文字光秀

渡辺 潤

自社ブランド「堺一文字光秀」の販売、包丁研ぎ、銘切りをしており、その視点から感じたことや疑問を皆様にお伝えさせていただきます。

監修
一文字厨器株式会社(堺一文字光秀)
〒542-0075 大阪府 大阪市中央区難波千日前 14-8