砥石の目詰まり

なんだか包丁が研ぎにくい。その原因は砥石の目詰まりかもしれません。目詰まりの原因や、解消方法を伝統の包丁ブランド、堺一文字光秀が語ります。

目詰まりって何?

包丁を研いでいて砥石がツルツル滑ってなかなか研げない時がありませんか?

これは砥石表面の砥粒と砥粒の間に研ぎくずなどが詰まった状態になっています。

これを「砥石の目詰まり」と呼んでいます。


「レジノイド製法」「マグネシア製法」の砥石が特に目詰まりが多くおきやすいのです。

目詰まりの原因

砥石は砥粒同士を結合させて作られているのですが、その砥粒と砥粒の隙間に研いだ削りカスが詰まった」状態が目詰まりです。

研ぎは砥石の砥粒が突き出した角で削りますので、目が詰まっていては角が立っていないので全く削れずツルツル滑るだけです。

この状態で研ぎ続けると、熱によって研磨焼けが起こり刃にも砥石にも良くありません。

目詰まりの対処

基本的に研ぐ以上研ぎくずは出てしまいますので完璧に目詰まりを防ぐ方法はありません。

ただ目詰まりをしにくくするために、砥石に水をこまめにかけて表面の削りカスを洗い流すようにすれば目詰まりは起こりにくいです。

また砥石減りによる面直しを定期的にしていますと、同時に目詰まりの予防にもなります。

目詰まりの直し方

砥石の目が詰まった状態で研ぎ続けても滑るだけ全く研げません。

そのためもう一度研げる面を出すために、砥石の目直し(ドレッシング)をする必要があります。

ドレッシング方法

  • 番手の近い砥石同士をすり合わせる
  • 専用のドレッシング砥石を使用する

などの方法で簡単に目詰まりは解消されます。

著者紹介About the author

堺一文字光秀

渡辺 潤

自社ブランド「堺一文字光秀」の販売、包丁研ぎ、銘切りをしており、その視点から感じたことや疑問を皆様にお伝えさせていただきます。

監修
一文字厨器株式会社(堺一文字光秀)
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